これは、高校生のみなさんが将来、親になった時のことを話します。もちろん個人の生き方は自由ですから「結婚」「出産」「子育て」にこだわる必要はありません。
でも、多くの人が将来我が子を持つことになるでしょうから、その時の心構えについて少し話しておきます。
リスク(命の危険)回避について
私は、とても臆病です。そしてドラマの見過ぎです。さらに、自分のことをあまり信頼していません。だから、その場その場で「最悪の状況」をイメージしてしまう癖があります。きっと、この癖のおかげで自分がまだ生きてる気もするので、トータルで見れば悪いことではありませんが。
例えば駅のホーム。私はホームすれすれにいることはありません。もし、変な人が後ろからドンと背中を押したとしても、列車に轢かれない場所にいます。ほとんど乗客のいない地方の小さな駅では、少しの間ホームのすれすれに立つこともありますが、それも長くはありません。「もしかして、今脳梗塞とか心臓発作になったら、せめてホームの上に倒れる方がいいな。」などと無意識に思ってしまいます。
街を歩いていても、すれ違う人が突然刃物やハンマーを出さないだろうか、あの角の裏から自転車が高速で飛び出すんじゃないか、上から何か落ちて来ないかなどを考えてしまいます。
これって、かなり窮屈で、いつもビクビクしながら生きているみたいだけど、実際にはゲーム感覚に近い状態で、特に苦痛もありません。自分にとってそれが普通だからです。
車の運転をしても、歩行者からは極端に離れます。「あの幼稚園児が突然走り出したらどうする?」などとイメージして、それでも轢かないように準備します。
私には子供が2人いますが、その2人が東京に住むようになった時に、そのいくつかは話をしました。我が子にも自分の命を守って欲しいからです。
そんなことを考えなくても、実際にトラブルに遭う確率は低く、まして死んでしまう確率なんて100万分の1かもしれません。でも、「ホームから突き落とされて列車に轢かれて死ぬ確率が100万分の1だとしても、ホームの中央にいれば、それはほぼ100万分のゼロです。」
子供が小さかった時に注意したこと
我が家は、車で駐車場に入ると助手席からは出入りができないので、一旦車を止めて家族を下ろし、それからバックでガレージに入ります。ここで注意するのは、降りた家族が家の玄関のところにいる(つまり、車の後ろには誰もいない)ことを確認してから進めます。これは癖です。
そんなことをしなくても、まず子供を轢き殺す確率なんて低いものです。でも、「自分に限って、その不幸が来るのではないか。」という疑念がぬぐいきれないのです。だから、確率を100万分のゼロにします。
遊園地や公園で遊んでいる時、子供が「おしっこ!」と言ってトイレに駆けていきました。その場合トイレの入り口から目を離しません。大きなバッグを持った人が出てこないかもチェックしています。もちろん他に出口がないかどうかもなんとなくチェックし、死角にならない位置で見ています。
我が子が普通にトイレから出てくると、ホッとします。
巷では、「不注意で我が子を車で轢いてしまった」「パチンコに夢中になってるうちに我が子を拐われた、高温の車内で死なせた」「ちょっと目を離した瞬間、溺れて見えなくなった」など、たくさんの事故が繰り返されています。親の不注意で子供の命を失ったら、もう取り返しはつかないのです。
ここでは、「不注意で子供を危険にさらすことのないように、気をつけよう。」という話をしました。
虐待で死なせるなんてのは論外であり、これをされたら子供にはもはや防ぐことはできません。唯一守るはずの親から攻撃されるのですから。もちろんみなさんはそんな非道なことをしないと信じています。