令和最初の卒業式を前に、神戸市教育委員会が「小学校の卒業式における服装について」見解を示しました。その文章をHPから抜粋します。

ネットでは小学生用の袴セットがぞくぞく

市立小学校卒業式における服装について

教育委員会では、令和元年6月28日付で卒業式の趣旨、卒業式における服装の問題点や考え方を示した文書を、第5,6学年の保護者の皆様に配付しました。
1.現状
 最近の小学校卒業式においては、袴を着用する児童、かかとの高い靴、きらびやかな髪飾りなど、服装全般にわたって華美になる傾向が見られ、児童への様々な問題点が生じています。
2.問題点
(1)体調面での問題
・袴など長時間にわたる体への締め付けで気分が悪くなり、途中退席となった。
・トイレの際、慣れない着付けのために手間取り、我慢せざるを得なかった。
(2)安全面での問題
・履き慣れない靴のため、つまずいたり転倒したりした。
・気分が悪くなってよろけ、他の児童へ接触して周りも転倒しそうになった。
(3)運営面での問題
・着慣れない服装で動きにくく、着崩れするなど、学習の成果が発揮できない。
・移動に時間がかかり、式全体の時間が長くなった。
3.考え方
 卒業式とは学習指導要領に定められた学校行事であることから、教育委員会としては、厳粛で清新な雰囲気の中で、お世話になった方々に感謝の気持ちを伝える場と考えており、児童にとっては小学校生活最後の「授業」として成長した自身の姿をしっかり表現する場と位置付けています。
 以上のことから、「体調面」「安全面」「運営面」においても支障をきたすことにつながりかねない服装等は望ましくないと考えており、問題点と卒業式の趣旨を十分にご理解いただいた上で、より相応しく適した服装で出席いただきたいと考えています。

神戸市教育委員会HP

 この点について、どうすべきかは言うまでもありません。学校の方針に合わせればいいのです。上記の「考え方」に記載されている体調面、安全面、運営面について支障をきたすと言ってるわけですから、それに合わせるだけです。以上。

そもそも袴にしたいのは誰なんだろう

 以上。と言ってしまってはそれ以上話しが深まりませんので、少し考えてみましょう。
 おそらく、神戸市の懸念について反論はないと思います。着慣れない和装は大人でも大変なのに、体力もない12歳の子供がいつも通り過ごせるわけはありませんから、健康面・安全面で問題があるのは言うまでもないことです。
 そもそも、袴にしたいのは子供なのでしょうか。もちろん親がほいほいと「あなたの時はこんなのがいいわね、いやこれもかわいい。」などと写真を並べて見せれば、子供だってその気になっちゃいます。それを称して「主役である子供が残念に思っている。」とは言えませんよね。もちろん子供は「みんなと一緒じゃない」ということに異常に反応するものですから、きっと意識の中に「着なければならない。」があると思われます。
 怒られるのを覚悟で言いますが、一番袴を望んでいるのはお母さんではありませんか?ママ友の横の連携や情報交換が見えるようです。その中で「みんなそうしてるし、まあ人並みに。」と合わせていこうとする少数の保護者たち(ひょっとしたら半数以上かもしれません。)

卒業式では、やることがたくさんある

 小学校の卒業式は、歌あり呼びかけありと、場合によっては一人一人が役割を持っていることも多いです。最近は時間短縮の動きが出てきたとは言え、今まで練習した成果を発表する場面ははずせません。子供たちは「一番立派な姿を、来てくれた家族やお客様に見せるのだ。」と張り切って式に臨みます。その時にお腹が苦しくて気持ち悪かったり、合唱でひな壇を作って登るのにも苦労して、しかも落下のリスクも激増させ、こんなことで練習の成果を出せなかったらかわいそうです。

「注文しちゃった」場合は

それは家族で生かしましょう。卒業式の翌日でも、きれいな袴をつけて、卒業証書を持って、家族で写真館に行って撮ってくればいいんですよ。いい思い出になるでしょう。

 ちょっと突き放したお話になって恐縮です。

スポンサードリンク