職場に近い、市内で唯一といってよい小さな書店。ここは、本のレイアウトが素晴らしく、店主の哲学を感じさせる数少ない本屋のひとつです。店長さんも素晴らしい方ですが、店員さんも自転車で日本一周されて地元のミニコミ誌に旅行記を連載するなど、すばらしいスタッフの力で運営されているのを感じます。「こんな本屋を絶対に潰してはならない。」と、密かに応援し、時には高額な本を注文したりもしていました。(もちろん私の応援なぞ微々たるものです。)
昨日、久々におじゃましてみたら、「50代の人に贈る本コーナー」が創設され、「まるで私のために並べてくれたみたい。」と少々感動してしまいました。(もっとも、この年代が人口も多く、書籍を購入する経済力もそこそこあるので、商売になるのはまちがいないでしょう。)
そこで手にし、購入したのが
「50代から本気で遊べば人生は愉しくなる」 片岡鶴太郎 著
趣味の悪い芸人というイメージだった鶴太郎さん(ごめんなさい)が、ドラマの俳優となり、ボクシングを始め、最近では画家としての地位も固めている、その素晴らしい才能の秘密がこの本の中にありました。それは、成功している人に共通する才能である「続ける力」です。
「来る日も来る日も画を描きながら、今日より明日、明日より明後日、わずかずつでも前に進んでいけばいい。これは10年かけて鍛え上げていくしかないと腹を決めました。」こんな決意をもって事に当たれば成功しない筈はないと思えてきます。現在62歳の鶴太郎さんは、私の6年先を走ってくれています。何とかついていきたいものです。
数年前、「ジュディオング版画 展覧会」を見る機会がありました。倩玉という雅号を持ち(実際はこちらが本名のようですが。)、畳一枚を超える大きな木版画は、まさに「見るものを圧倒する。」と表現するにふさわしいものでした。(値段にも圧倒されました。)
その時のパンフレットか壁の説明文に、版画家へ弟子入りする時に、先生の奥さんが「この娘、集中力ありそうだから大丈夫かも。」と助言したと書いてありました。果てしなく大きな版画の原板を、最後まで同じクオリティで掘り続ける集中とねばり。形はちょっとちがうけれど、やっぱり続ける力なんだなと実感です。
ああ神様、私に「同じ熱意でずーーっと続ける力」を与えて下さい。