こういうことを高校の世界史で学びたかった
「中国の王朝を並べて言えますか?」こんな課題が社会の先生から出されたこと、あります。
殷 周 秦 漢 三国 晋 ・・・元 明 清 中華民国 中華人民共和国
時代は清朝末期、作者の祖母が生まれたところから、本著はスタートする。
度重なる政権の交代、日本やロシアの侵略に翻弄されながら、
祖母、母、そして作者が(ベタですが)逞しく生き抜く、感動のドキュメンタリーです。
(ドキュメンタリーですから、内容は事実です。)
母は何ヵ月にもわたって毎日毎日話しつづけました。祖母が軍閥将軍の愛妾だったこと、母が15歳で共産党の地下活動に加わったこと。母も祖母も、戦争や外国の侵略や革命や全体主義の暴政に翻弄されて波乱の歳月を生きてきたことを知りました。歴史の渦にもまれながら、母や祖母が命がけの恋をしたことも知りました。(2007年版、作者あとがき)
それにしてもこの本、臨場感というか、迫力が強烈です。
纏足のこと、支配され搾取される人々の苦労、海外観光客に見られないように隠れていた貧民層。
まるで自分がその時代を生きているような感覚に陥ります。
中国って、いろんな意味ですごい国だ。(恐ろしい国だ。)
その中国の近代史を学ぶ上で、絶対にはずしてはならない一冊です。
単行本で上下2巻、文庫本なら上中下の3巻セットです。
少々長いですが、おもしろいから、長さがうれしいです。
ところで、近代中国を知るうえで、もう一冊、外せない小説があります。
「大地」パール・バック
次回、この本を紹介しますね。