2016年度本屋大賞受賞。

本屋大賞の受賞作は、ほとんどはずさないなあと感じています。今回紹介する「羊と鋼の森」も、読み終えて爽やかな空気に包まれる作品です。

ひょんなことから高校に来た調律師の手仕事とピアノの音色に魅せられた主人公。自身も調律師となり、様々なピアノ(そのピアノを弾く人々)と向き合いながら、成長していく姿が、静かに優しく綴られていきます。大きな事件があるわけでない。にもかかわらず、文句なしに面白い。それに、文章が巧みで、唸らせる表現があちこちにあります。きちんと文章に向き合って読んでほしい一冊。

ところで、調律師という仕事を知っていますか?

昔、我が家にもピアノがあった時代、数年に1回、調律を頼んでいました。その時は、「楽器メーカーの人」くらいにしか思っていませんでしたし、ギターの音合わせみたいなものだろうと思っていました。でも、この本を読むと、「調律の仕事って深いなあ。おもしろい世界だなあ。」と感じます。将来、音楽関係の仕事を考えている人は、こんな仕事もいいかもしれませんね。

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