もうすぐ12月。
中学3年生は、みなさんと同じ高校生になるため、頑張って勉強しています。
夏休み前からスタートした人、校内の合唱コンクールが終わってようやく勉強モードに入った人、入試が近づくにつれ、「どうやら逃げることができないらしい。」と気がつき始めた人、まだ動いていない人、いろいろです。でも、学年の全員が高校進学を希望しているわけですから、まったく意識しない人は一人もいない。残された時間と自分の実力を秤にかけて、焦る姿も多く見られる、そんな時期です。
今日は、部活動が休みだったので、3年生の希望者に教室を開放し、自主勉強と質問の受付を行いました。集まったのはおよそ30人。学年の4分の1以上が、朝の8時から午後3時まで、静かに黙々と勉強しています。

今から20年以上前、男子ソフトテニスの顧問だった私は、運良く地区大会を勝ち抜き、団体で県大会に出場しました。(私のへなちょこ顧問歴の中で、県大会に出場したのは、ほんの数えるくらいです。)
前日の練習会場に割り当てられた高校のテニスコート。すでに高校は夏休みだったのでしょうか、授業は行われていません。でも、校地のところどころに、勉強している姿が見られます。風の通る渡り廊下に机と椅子を運び、隣でテニスの練習をしている中学生に目を向けるでもなく、自分の目標とやるべきことに集中している。テニスコートに響く声とは対照的に、そこは静かな空間です。きっと3年生だったのでしょう。半年後に迫った大学受験に向けて、地道に勉強を続ける姿はとても印象的でした。
渡り廊下の高校生は、私たちが訪れる前から、練習を終えて宿舎に戻るまで、ずーっと勉強をしていました。いったい何時にやってきて何時に帰ったのだろう。
中学生の目に、彼らはどう映ったでしょうか。「ほら、すごいねえ。」と話しましたが、何か心に残るものがあったでしょうか。
あまりに当然のことで「何をいまさら。」と言われそうですが、「自分で進んで取り組むこと」と「指示されて、やらされていること」では、内容が同じでも効果は格段に違います。20年前に見た高校生も、今日集まった中学3年生も、自分で判断し、進んで学校に来て勉強に取り組んでいます。

彼らには、目標があります。
目標を達成するために必要なことがわかっています。
だから、それを自分の意思で実行しています。

おまりにも当たり前すぎるのに、なかなかできないこと。
それができる人は、強いです。
もし、これを続けることができたら最強です。

今日、学校に集まった30人が、無事に高校生の仲間入りができますように。

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