高校生の皆さん、責任重大みたいです
ひょんなことから知り合いになった方から強烈に薦められたのが、写真の「10年後、君に仕事はあるのか?」(藤原和博 著)です。早速購入して読んでみましたが、これが久々の大ヒットでした。かなりおおざっぱに概要を説明すると、
これからの10年で世界はどう変わるのか。
仕事が激減する近未来を生き抜くための力とは何か。
高校生が未来を切り開く主役になる理由。
が、理路整然と語られています。理路整然ですから反論の余地は少ないです。ということは、今の高校生が新しい未来を創る可能性が高いということ。若いみなさんが日本の未来を拓いていくのです。さらに、これからは私も含めた世の中の大人価値観が年々崩れていくようで、「誰も未来への道を示してくれない時代」が始まります。こりゃあ大変だ!
でも、どうすればいいの?
ひと言で言うと、それは
情報編集力
です。「情報編集力?つまりどんな力?」と新たな疑問が出てきますね。藤原氏によれば「いろいろな知識を身につける力ではなく、それを利用してアウトプット(つまり表現)していく力。」なのだそうです。
たしかにいろいろな事を知っているというのはすばらしい力ですが、それはすでにコンピュータに勝てない世界だし、スマホで検索すればすぐに答えがでてきます。それよりも、この知識を使ってどう新しい価値を作ったり発信したりできるか、これが勝負ということ。(どうやら、思い切った行動に出てもいいみたいですよ。)
うーん、うまく表現できない。
高校の図書室から借りて読みましょう。図書室になかったら、購入のリクエストをしましょう。
どちらかというと高校の教育を中心に書かれているので、若干難しい(というか、うまく感情移入できない)部分もあるかもしれません。それでも、一度目を通しておいて、「なるほど、こんな風に自分の力をつけていけばいいんだな。」とイメージする価値は高いです。
本の中の気に入った言葉
「いきあたりばったりで上等だ!」というくらいの覚悟で臨んだほうが、あとで君の希少性を高めるのに貢献するのではないでしょうか。そう、繰り返しますが、「覚悟」の方がよっぼど大事なんです。これをやるには、自分が後ろを振り返ったときに誰もついてこなくても寂しがらずにすむ、ある種の感性の鈍さが必要かもしれません。
「高校とは何か?」あまりにも単純な答えで批判を受けるかもしれませんが、僕はこう思うのです。高校とは、義務教育を通じて「みんな一緒」に育てられてきた子どもたちを、「それぞれ1人ひとり」に引き剥がし、個人として生きる準備をさせる場なのだと。
いじめが社会問題であり続けています。どうやらこの問題は、学校という閉鎖空間を飛び出し、大人社会にも大きな影を落とし始めました。いじめは、意図的であるなしに関わらず「集団から離れた個人への攻撃」です。その行為はいじめる側の「集団の中にいる安心感」を生むこともまちがいないでしょう。ずーっと集団として生きることを刷り込まれた反動なのかもしれません。
藤原氏にそんな意図があるのかはわかりませんが、上記の言葉がいじめというばかばかしく無駄な行為をストップさせる力になるかもしれません。
手前味噌ですが、このサイトを作った理由も「個人として生きる準備をする場」の提供です。