英語の勉強のために時々TEDを聞いています。
今日、何気なく聞いた16歳のスピーチに、思わず仰け反りました。
すごいです。

スピーチのリンク

スウェーデンのグレタ・サンバーグさん

とにかく、全文を読んでみましょう

8才ぐらいの頃に 私は気候変動や 地球温暖化のことを 初めて耳にしました それは人間の生活様式が もたらしたものらしいのです 省エネのために電灯を消したり 資源を守るため紙を リサイクルするようにと教えられました 人間は他と同じ 動物の一種にすぎないのに 地球の気候を変える 力があるというのは とても変だと思ったのを 覚えています だって 人間にそんな力があって 気候変動が本当に起こっているなら 他のことは話題にも していないはずですから テレビをつけたら そのことばかりのはずだし ニュースでも ラジオでも 新聞でも まるで世界大戦が 起こっているかのように それ以外のことは 見聞きしないはずです でも 誰も その話を していません 化石燃料を燃やすことが 私たちの生存を脅かすほど悪いことなら なぜ前と変わらない生活を していられるのでしょう? なぜ何の制限も ないのでしょうか? なぜ違法なことと されないのでしょうか?

私は納得できませんでした あまりにも非現実的でした それで私は11才の時 病気になりました うつ状態になり 話さなくなり 食べなくなりました 2ヵ月で 10キロ痩せました 後に私はアスペルガー症候群で 強迫性障害で 選択的無言症だと 診断されました その症状は 基本的に 必要だと思う時しか話さないことで 今がその 必要な時なのです

(拍手)

私のような 自閉スペクトラムに 属してる人間にとっては ほとんど全てのことが 白黒どちらかなのです 私たちは嘘をつくのが あまり上手ではありません ソーシャルゲームをしても 大抵は楽しくありません 皆さんはお好きなようですが

(笑)

私には いろんな意味で 自閉的な人間の方が正常に思え 他の人たちはすごく 奇妙に見えます

(笑)

特に 持続可能性の 危機の話となると 気候変動は 生存を脅かしていて 何より重大な問題だと みんな言い続けていながら これまでと変わらない 生活をしているのです これは理解できません排出をやめる必要があるなら やめるべきだからです 私にとって これは白か黒かの問題です 生き残りの問題となれば グレーな部分はありません 文明を継続するのか しないのかです 私たちは変わる必要があります

スウェーデンのような裕福な国は 少なくとも 年15%の 排出削減を開始する必要があります 気温上昇を「2度未満」に抑える 目標のために必要なことです もっとも IPCC が 最近発表したように 「1.5度未満」を 目標にしたほうが 気候による影響を大幅に 減らせるそうですが 排出削減にそれがどういう意味を持つのか 想像することしかできません メディアや すべてのリーダーが この話ばかりしていると 思うかもしれませんが 口にすることさえありません 温室ガスが自然界に 既に取り込まれていることも 誰も口にしません 大気汚染が 気温上昇を隠していて 化石燃料を使うのを やめたとしても 0.5度から1.1度もの 追加の温度上昇要因が あることも言わないのです さらに 私たちは第6の絶滅期の 真っ只中にいるという事実も ほとんど誰も 語っていません 200もの種が 毎日絶滅していて 現在絶滅が起きているスピードは 正常と考えられる状態と比べ 千倍から1万倍も速いのです パリ協定のあらゆる箇所で 明確に宣言されているにも関わらず 衡平性や気候正義について ほとんど語られていません これは世界的な規模で効果を生むために 絶対不可欠なことです つまり裕福な国は 今の排出ペースだと 6年から12年の内に 排出をゼロにする 必要があるということです それによって 貧しい国の人々が 私たちの既に作り終えている 道路や学校や病院や 水道や電気などといった インフラを整え 生活水準を高める機会が 得られるようにするためです インドやナイジェリアのような国が 気候危機を気にかけると どうして私達に 期待できるでしょうか? すべてが整っている 裕福な国の私たちが 気候やパリ協定を守ることを 少しも気にかけていないのにです

では なぜ私たちは 排出を減らさないのでしょうか? なぜ実際 排出は まだ増え続けているのでしょうか? 知っていながら 大規模な絶滅を 起こそうとしているのでしょうか? 私たちは 邪悪なのでしょうか? もちろん そうではありません みんながこれまで通りのことを 続けているのは 私達の日常生活が どんな結果を引き起こすのか 大多数の人がまったく知らず 速やかな変化が必要なことを 知らないからです 私たちは誰もが皆 知っていると思っていますが 知らないのです どうして知ることが できるでしょう? もし本当に今が危機的状況で その原因が 私たちの 排出するものにあるのなら 少なくとも何か 予兆があるはずです 水没する都市や 何万もの死者 倒壊した建物で埋もれていく 国々なんかだけでなく 何らかの不自由が 出てくるはずです でも そうなってません しかも 誰も そのことを言いません 緊急会議も 見出し記事も 緊急速報もなく 誰も 危機の最中にいるような 行動を取りません 気候科学者や 環境派の政治家でさえ 多くの人は飛行機で飛びまわり 肉や乳製品を食べ続けています私が百歳まで生きるとしたら 2103年にまだ生きています 将来のことを考えるとき みんな2050年以降のことは考えません 順調なら その時点で私は まだ人生を半分も生きていません

その先 何が起こるのでしょうか? 2078年には 私は75歳の誕生日を迎えます 子供や孫がいたら その日を共に 過ごしてくれるかもしれません 皆さんのことを 聞くかもしれません 2018年頃に 生きていた人たちのことを まだ行動を起こせる 時間があったのに なぜ 何もしなかったのかと たずねるかもしれません今すぐ行動するかどうかが 私の全人生と 子供や孫の人生に 影響するんです 今すぐ行動するかどうかで もたらされる結果は 将来の私や私の世代には どうすることも出来ません だから 今年の8月に 学校が始まったとき 我慢できなくなって 心を決め スウェーデン議事堂の前で 座り込みをしました 気候のために 学校ストをしたのです 学校に行くべきだと 言う人もいるし 勉強して気候科学者になり 「気候危機を解決」したらいいと 言う人もいます でも 気候危機は 既に解決されているんです すべての事実と解決策は 既に揃っていますあとは目を覚まして 行動を変えさえすればいいだけです 将来を守るためのことを 誰もしていないのなら もはや無くなる将来に向けて なぜ勉強すべきだと言えるのでしょうか? そして 教育システムが生んだ 最優秀な科学者による 最も重要な事実が 政治家や社会にとって 明らかに 何の意味も 持たないのなら その同じ教育システムで 事実を学ぶ意味はあるのでしょうか? スウェーデンは ただの小さな国だから 何をしても 意味がないという人もいますが 子供が何人か 数週間学校に行かないだけで 世界中の見出しを 飾れるのだとしたら みんなでその気になって行動したら 何ができるか想像してみてください

(拍手)

そろそろ このトークも終わりです 普通なら みんなここで 希望について語り出します 太陽光パネルだとか 風力発電だとか 循環経済だとか 私はそうしません 励ましやら 明るいアイデアなら 30年聞かされてきました 残念ですが 効果はありません 効果があったら 今頃 排出問題は 解決しているはずです でも解決してません 確かに希望は必要です もちろん 必要ですが 希望よりも必要なのは 行動です 行動を始めれば 希望で溢れます

だから希望を 探すのではなく 行動を求めましょう そうやって初めて 希望がわくのです

現在 1億バレルの石油が 毎日使われています これを変える 政策はありません 石油を地中に残しておく ルールはありません 既存のルールに従っていては 世界を救えないのです ルールを変えなければ ならないからです

すべてを変える必要があります そして今日 始める必要があるのです

ありがとうございました

(拍手)  (TED Talk デジタルキャスト)

考えさせる内容が満載だ!

1 現実を受け入れない大人たちへの辛辣なメッセージ

温暖化が進み、その原因がわかっているにも関わらず、それを口にすることもなく日常が過ぎていくことを、彼女はしっかり問題提起しています。

「白か黒、生き残りの問題にグレーはない」とはっきり言い切る、この姿勢は特に日本人が見習うべきところ。
もちろん日本の「まあまあまあ」という両方を立てて考えることも大切です。
重要なのは、その場や内容に応じて使い分けられることでしょうか。

学校に行かずに国会前で座り込みをした彼女に「将来気象学者になって、あなたが解決すれば良い。」という大人の言葉。
彼女はその言葉への反駁を明確に行なっています。
「すでに原因も解決方法もわかっているのに、それを勉強して意味があるのか。」と。
こう言い返されたら、もはや反論できません。

2 行動することの大切さを訴えている

「希望は必要だが、希望よりも大切なのは行動。行動することで希望が見えてくる。」
まさにその通りです。
「これまで30年、希望だけが叫ばれ、現実は何も変わっていない。悪化している。」という事実をふまえた言葉です。しっかり根拠ある言葉です。

3 ノー原稿での見事なスピーチ

画面を見る限り、彼女は原稿を持っていません。どこかに原稿が映し出されるようにも見えません。
11分少々という短いスピーチですが、この中に「言わなければならないこと」ときちんと入れ込み、聴衆にむっ買って堂々と話す姿を見ると、「彼女と同じレベルで話ができる大人が、果たしてどれくらいいるのだろうか。」と思えます。
「子供が精一杯喋っている」というレベルではありません。

このスピーチだけ見ると、
「この子は頭もいいし、いろんな能力の高い人なんだろう。」と思うかもしれません。それは、正しくもあり間違いでもあります。
きっとたくさん練習したでしょう。
原稿だって何回も書き直したでしょう。
この舞台に上がるまで、彼女がどれだけの準備をしたか、知る由もありません。
でも、「相当な準備と練習をしただろう。」ということはわかります。

人の前で話をするというのは、その人の時間(つまり人生の一部)をいただくわけです。そんな厳しさを、きっと彼女は理解している。
そう思わせる素晴らしいスピーチです。

このスピーチから学ぶべきこと

疑問に思ったことから目をそむけない。
解決のためにできることを行動する。
自分の考えをしっかりまとめ、根拠づけをする。
十分な準備と練習を経て実践する。

気候変動の問題については、まったなしの最重要課題。
その意識もみなさんには持って欲しいのですが、
今回は、
「16歳でもこれくらいすばらしい話ができるのだ」
という事実から、何かを学んでくれれば幸いです。

 

最後に、
英語の勉強にもTED Talk は使えますよ。

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