主人公の新二のそばには二人の天才がいる。一人は将来を約束された(はずだった)サッカープレーヤーの兄。もう一人は中学からの同級生の連。中学でサッカー部だった新二は、兄へのコンプレックスもあり、高校では陸上競技を選択する。同じ高校に進学した連とともに、関東地区の強豪校にリレーで挑んでいく3年間を綴った名作です。
この小説は、その後マンガやドラマにもなったので知っている人も多いでしょう。(いや、しばらく前の話だから、もう知らない人も多いかな?)
登場人物一人一人の個性がいい。(作者の佐藤さん、このあたりの人物設定や描写はほんとに上手い!)少々いけすかないライバルもいるのですが、悪人が一人もいないところも青春小説ならではといえます。3冊組の長編ですが、登場人物に感情移入しやすく、一気に読める本です。
この本は、2007年の本屋大賞(本屋さんが売りたい本を投票するコンクール)で見事大賞に輝いた作品です。(本屋大賞の候補作は、どれもおもしろい。本を選ぶ基準になります。)