昔、学校の図書館には得体の知れないSFコーナーがあり、火星人や地底人、海の底の世界など少年たちをわくわくさせる世界がありました。よくよく考えると内容は薄かった(というより、なかった)けれど、現代のゲーム感覚に近い感覚だったかもしれません。
SF小説といえばヴェルヌの「地底旅行」「海底二万里」、ウェルズの「宇宙戦争」「タイムマシン」などの作品が有名ですが。今回は「星を継ぐもの」を紹介します。科学者が謎を解き明かすサスペンスとしても秀逸な作品です。
「えーっ!? SF小説?」とバカにしてはいけません。かなり面白いですよ。
近未来の地球、開発中の月で赤い宇宙服の死体が見つかった。放射性年代測定の結果、五万年前のものと判明。なぜそんな太古の時代に人間が月にいたのか。チャーリーと名付けられたその死体が残した2冊の手帳を、言語学者がゆっくりと、しかし着実に読み解いてゆく。五万年前に起きた壮大な事件とは? 月はどこから来たのか? 我々人類はどこから来たのか?
やや難解な科学用語に手こずるかもしれませんが、1980年の初版以来読み継がれ、未だにベストセラーの地位を維持しています。SF界の中で「一冊お薦めは」と言われれば、おそらくこれがナンバーワンです。
漫画にもなりましたが、ぜひ小説に挑戦してほしい。一気に(2~3時間くらいで)読めます。