もう完全に日本に定着した感のあるハロウィン。
調べてみると、元々はケルト人の祭だそうで、キリスト教のイベントではないのですね。
私の子ども時代は、その言葉すらありませんでした。
それが、ここ10年くらいで爆発的に広まりました。
日本人の「なんでも取り入れる能力」の凄さを感じます。
昔、旅先で出会ったオーストリア人の女性から、
「あなたの宗教は何ですか?」と質問されたことがあります。
「仏教だけど、私はそれを信じていない。」と答えると、
彼女は不思議そうな顔をしました。
彼女にとって、自分の宗教を信じていないということが、おそろしく違和感のあることのようです。
「あなたは?」と聞くと、
「私はキリスト教だ。キリストが自分を強くして下さる。私の人生にキリスト教は必要だ。」
と断言した彼女。
とても純粋な人だなあと思いました。
宗教に関しては節操がないと批判される日本人。
元旦には神社に参拝し、お盆にはお寺のお坊さんにお経を読んでもらい、
クリスマスにはイエスを祝福する。(そんな気持ちはないのかもしれませんが、とりあえず祝う。)
この、驚くべき「こだわりのなさ」が、多くの日本人の特性でしょう。
だから、宗教に関わる紛争や戦争の話には違和感を覚えます。
「なんで、あんなに感情的になるのだろう。」
「それぞれが、自分の神様を信じていれば、それでいいじゃないか。」と。
もともとは自然の全てに神が宿るというアニミズムの思想があるから、「キリスト教」や「イスラム教」みたいに「絶対無二の神が存在する」という強い思想もないし、他の宗教を排除しようなどとも思わない。
私は、こんな日本人の感覚が好きです。
宗教とは離れますが、
日本人は、今までの日常にはなかったイベントや風習を、少しずつ取り入れてきました。
1970年代 バレンタインデー(193年代から、チョコを贈れという広告はあったらしい。)
1990年代 恵方巻(全国的にブームになったのは1998年以降)
2000年代 ハロウィン
2010年代 イースター(復活祭)
(ハロウィン、イースターは、ディズニーランドが仕掛け人のようだ。)
日本人、すごいですね。
ところで、「宗教と政治の話はするな。」という言葉があります。
日本だけのようです。
だって、ほとんどの国では信念をもって「宗教」を実践している人が多く、隠す必要もありません。政治についても、自分の考えをしっかり表明できる人が多いと聞きます。議論することにも慣れています。
日本人は、議論が苦手です。
相手を認めながら自分の主張をする議論は、とても大切なのに、なぜか苦手なんです。
議論じゃなくて、ケンカになってしまいます。
だから、どちらも引くことのできない「宗教」と「政治」の話題は避けるのだそうです。
ちょっと考えさせられます。