あまりテレビを見る方ではありませんが、

お笑い芸人のことを尊敬しています。

具体的誰の事?

いえ、特定個人ではなく「お笑い芸人」というカテゴリーに入る方々です。

それは、実力と自信を持った人だけが許される、

「自分を笑いのネタにする。」ことができるからです。

 

「自分を笑うことが、そんなにすごいこと?」

はい、すごいことなんです。

 

「人を笑う」という行為は、ほとんどの人が抵抗なくできることですね。

この行為の裏には、どんな心理が隠されているのでしょうか。

それは、

「相手よりも自分を優位に立たせようとする欲求。」です。

人を笑っている時、ちょっとだけホッとする気持ちがあります。

それは、笑われている相手よりも自分が上だと確認できるから。

笑っている間は、自分が被害者になることはなく、安全だから。

教室で、誰かがおならをしたとしましょう。

「うわー!! 〇〇がへーこいた! くっせー! 逃げろ逃げろ アハハハ・・」
「ちょっとちょっと、〇〇ったら、教室でへーこいたんだよ! しかも音おっきいの。 笑えるよねー。」

これって、一歩間違えば(いや、間違わなくても)陰湿ないじめになりますよね。

 

下の言葉はどうでしょう。

「体育の授業で握力量ったでしょ。その時にね、思いっきり力んだらブイって音立てちゃってさあ、大爆笑だった。」

こんな風に自分を笑いとばせる人って、素敵だと思いませんか?

「この程度のミスやアクシデントは、致命的でもなんでもないし、そんなことで自分が変わることもない。」

という自信があるからこその発言です。

 

というわけで、お笑い芸人さんを尊敬してます。

もちろんコンビ漫才などでは相方をさんざんけなす時もありますが、

それも含めて「自分たちを笑いのネタにしている。」のです。

普通の人には真似のできない世界ですよ。

 

ただ、ひとつ気にかかることがあります。

時々、番組の企画で、

「芸人さんにイタズラしたり、無理やり恥ずかしい行動をさせて笑う。」

という動きも見られます。

 

泥の中に落としたり、

我慢できないほど辛いものを食べさせたり、

熱湯に入れたり、

裸に近い格好で氷の池に落としたり、

ケガをする寸前の、拷問に近い仕打ちで笑いを取る番組が存在するのです。

 

あれは、完全な「いじめ」の構図に当てはまります。

芸人さんが自分で自分を使って笑いを取るのはOK。

第三者が芸人さんに何かをして、それで笑いを取るのは、NG。

この違いをきちんと理解して、

お笑い番組をチェックしてみて下さい。

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