科学大好きのみなさん、お待たせしました!
理系に進む人は必読の書と言えますが、文理問わず広く愛されてきた本です。
グールドは進化論を専門とするアメリカの生物学者。
自らの研究を進める傍ら、一般向けに科学を扱ったエッセイを多く書いています。
今回紹介するのは、その第一作です。
文章は、アメリカの自然史博物館が定期的に発行している「ナチュラル・ヒストリーマガジン」に毎月連載されていたものです。文章はそんなに長くありません。ひとつひとつをじっくりと読み、生命の不思議な世界をのぞき込みましょう。
純粋に科学を扱いながら、人間や社会への愛にあふれ、ユーモアのある語り口は多くのファンを魅了して止みません。
その後、多くのエッセイ集を発行することになるグールドは、後に「文章の稚拙さから、この本を世の中から消し去りたい気分である。」とも書いています。
しかし、最初に読むのはこの本が良い。
後期の文章に比べてストレートな文章は、初心者には分かりやすいと感じるからです。
もし、この本を読んで
「科学の研究って、おもしろいんだな。一部の天才だけの世界じゃないんだな。」
と感じてくれればうれしいです。
エッセイ集は合計10冊(その多くは上下巻なので、全18冊。)。
グールドにはまってしまうと、「まだまだたくさんの本が残っているなあ。」と、うれしくなっちゃいます。
第2作の「パンダの親指」(全米図書賞受賞)も良い。第5作の「がんばれカミナリ竜」あたりからは、文章も文芸作品の香りがします。(その分、私はやや難解に感じました。だから、最初は「ダーウィン以来」を薦めているのです。)
そして、最後は科学本の名作「ワンダフル・ライフ~バージェス頁岩と生物進化の物語」に挑戦して下さい。
こちらの紹介は、いずれまた