「ワイルド・スワン」を紹介した時に、「もう一冊お薦めしたい本」と紹介した作品です。
激動の時代と言える近代中国で、小作農だった王龍が結婚するところから物語は始まります。
幾多の苦難を乗り越え、労働と倹約を重ね、やがて大地主になった王龍。
物語はその子、孫へと続いていく。
当時の中国にタイムスリップしたようなリアルな感覚で読み進められる本です。
「一生のうちに一度は読まなければならない本」は、たくさんありますが、
この本も、間違いなくその一冊です。
文庫本で全4巻。すさまじく長い。
でも、この本を読み切る力をぜひとも身につけてほしい。
まずは大富豪になるまでの1巻を読んでみましょう。
作者のパールバック氏(女性)は、幼少から17歳まで宣教師の親と共に中国生活を送っただけに、登場人物への深い愛情が感じられます。この本でピューリッツア賞とノーベル文学賞受賞。
ところで、近代中国を語るうえで外せない2冊、「大地」「ワイルド・スワン」の両方とも、作者が女性です。また、両方とも3世代に渡る壮大な物語。中国という大きくて歴史のある国を語るには、ひとりの人生では無理なのかもしれません。